トルクとJCSSの必要性を考えてみよう

回転軸や力量について知ることも大事

まず、私たち一般人にとってトルクに関する認識、理解力は乏しいでしょう。ちなみに、トルクとは力学知識さえあれば理解ができる内容で、ある固定された回転軸を中心に働く、回転軸の周りの力の大きさを指し、ねじりの強さとも呼ばれています。例を挙げるとするなら、自転車のペダルや自動車のエンジンです。自転車を漕ぐ際には、ペダルを踏み込むように下方向に力を入れるからこそ、前に進みます。左右のペダルを繋ぐのは『車軸』です。軸の回転でねじり力が入ります。力学的計算になりますが、車軸からペダルまでの距離、足で下方向に踏み込む力をかけることによりトルクのモーメント量(重力)が表せます。自転車の場合には、踏み込む力によって変わり、エンジンは回転数に応じて変わるという内容です。

不確かでない証明になる国が認める制度

では、JCSSとの関係性、必要性を考えてみましょう。測定するには不確かさが小さくなければなりません。一般的に、はかりの数値に誤差があってはならないことが謳われています。時刻も同じ、不確かでなく寸分の狂いもなく、というのが理想的です。測定器が正確なのかは標準器で校正しますが、それも正確な標準器によって校正されなければ意味がありません。追求していけば、国家標準にさかのぼれば確かめられるでしょう。その場合、その測定器は国家標準にトレーサブルなのだそうです。JCSS校正証明書は不確かさが表記されていない証です。そもそも、計量法校正事業者登録制度と呼ばれ、経済産業大臣から権限を与えられた制度であるなどは一般人には理解できません。具体的には、法人製品評価技術基盤機構認定センターにて、計量法規定に基づき、計量器の校正事業を行う事業者に対して、特定の登録区分における能力を審査し、一定の能力が認められた信頼のある事業者という証になります。必要性があるとすれば、この登録事業者からJCSS標章(校正)を受けたユーザーの計測器への信頼にまで繋がるという点でしょう。

誤差がない精度よりも確かである値

ちなみに、不確かさは校正によって得られた真の値との間にある誤差への指針で、その値の算出は国認可、評価要領に基づいています。ちなみに、精度はメーカーが公称する正確さで、最大許容誤差という認可より任意といった意味合いになります。国家計量標準にトレーサブルであることの証明ができるため、必要性は十分あるでしょう。JCSS校正事業者の発行する標章付き校正証明書ですが、法制度での証明が必要とされる際にも利用されています。例えば、高圧ガス取締法や計量法です。